誰が困る

ぶるーくろす癒海館という介護施設にて、虐待の疑いがあるとの事で調査されています。
少し前にあった、差別発言のあった施設は入所者の家族からの告発によるものからでしたが、今回は以前勤務していた職員による内部告発の形となっています。虐待の事実を知りえた場合通報の義務があるのは分かりますが、今回の告発で誰が得をするのかといえば別に誰の得にもならないように感じます。*1
暴行があったりした場合はまた別ですが、サクを作ることで対処していたようですので無茶はしていないですし、身体拘束を行う場合も一応指針どおりの運用を行っているようですので悪意を持った施設ではないと思います。第一儲ける気ならばもっと露骨に儲けられるシステムを作ることができます。
今回不幸だったと思う入所男性をオリに入れていたという事象ですが、従来の福祉から弾かれた存在で施設側も仕方なく受け入れているという事実があります。現時点の指定施設でも高リスク待機者は敬遠される方向にありますので、ここでまた善意で高リスクの入所者を受け入れ文句を言われてしまうというのでは、余計にえり好みが進むようになり、在宅が困難な待機者はより入所が遠のくだけのように思います。

法律が微々変わり新型特養なるものも多数できてきていますが、旧来からのうん十年存在している施設が存在するものまた事実であり、そういった施設では現行の水準のサービスを提供することは極めて厳しいため*2、あって当たり前・できて当たり前と思われるのはつらいものがあるなぁと思います。


ちなみに、一時金30万・月額15万というのはありえないほど安いです。厚生年金に加入していた場合いい感じの料金。しかも介護保険の指定を受けてもいない。
いろいろ人員配置基準がある指定介護老人福祉施設の場合、施設側の収入として入所者一人当たり30万程度の収入です。で施設での経費というのは大半が人件費ですので、現状のサービスを維持する分には不都合がないのですが、イザ新しいことをしようとすると途端に資金繰りが厳しくなりますので、なかなか新規の行動が取れないという点があります。

*1:しいて言うなら告発者か。家族の場合はサービス改善のメリットがありますが、いづれにせよ居づらくなるとは思います

*2:介護報酬の都合